
Action 雇用シェアプロジェクト
【概要】
災害時に一時的に雇用を維持できない企業と、災害時だからこそ一時的に雇用を必要とする
企業間でのスピード感ある人材の異動を「在籍出向」という形態で実現します。
雇用を維持するために出向者を出される企業、出向者の受け入れをしてくださる企業、
またマッチングをサポートしていただけるボランティアを募集しています。
本プロジェクトは、山野智久(発起人)の緊急提言よりはじまりました。

はじめに
災害時には一般生活はもちろん、企業活動にも多大な影響を及ぼします。企業においてのマイナス影響はわかりやすいところで売上の減少です。そして、売上減少をリカバリーする手段のひとつが販管費の削減になります。企業存続のために雇用を維持しつつも、人件費の一時的な削減を行う手法として「災害時雇用維持シェアリングネットワーク」の構築という取り組みが、この未曾有の事態を切り抜けるひとつの活路になるのではと思い活動させていただくことにいたしました。
具体的な方法
災害時でも雇用を維持しつつ、かつ、販管費の削減を実現する方法は企業間の垣根を超えた、人材の流動化を加速させるネットワークの構築だと思います。具体的には、災害時に一時的に雇用を維持できない企業と、災害時だからこそ一時的に雇用を必要とする企業間でのスピード感ある人材の異動を「在籍出向」という形態で実現します。これを「災害時雇用維持シェアリングネットワーク」と呼ぶことにしました。
在籍出向とは、出向元の企業の従業員としての籍を残したまま、他の出向先企業で働く形態を指します。雇用契約は両社で持ち、業務遂行における指揮命令権は出向先が有します。そして今回のような災害時の費用負担は出向先の負担とします。派遣形態との違いは、営利目的の事業として人材の提供が行われていないことです。事業としての人材の提供は、職業安定法第44条に抵触するため注意が必要です。
災害時の短期的な雇用維持と販管費削減の対応策として「雇用調整助成金」は非常に有効ですが、「上限金額8330円/日」と「上限日数100日間」に課題が残ります。企業は従業員に対して6割以上の休業手当を支払う義務がありますが、国からの助成はあれど、従業員平均賃金が比較的高い会社は負担額が多くなります。
そこでこの「在籍出向」の手段を活用する訳ですが、これを実現するための重要なポイントは「異業界・異業態で職種重複率の高い10社程度でのネットワーク構築」にあると考えています。以下にそれぞれまとめます。


重要なポイント
#異業界・異業態について
災害時の企業における経済的な打撃は、同業界・同業態では近しい影響がある可能性が高いです。
自社の有事が他社にとっては対岸の火事という事態が起こり得るため、出来る限り業界・業態は分散してグループを組むことが望ましいと考えます。実際、当社の従業員の受け入れに名乗りを上げてくれた企業も、上記の業界の企業が中心です。(各社の掲載許可が取れたら、こちらか別の方法で共有したいと思います。)
#職種重複率について
職種とは小売業界では販売員、商品企画、スーパーバイザー(SV)など、IT業界ではエンジニア、プロジェクトマネージャー、カスタマーサポート(CS)といった職業の種類を指します。重複率とは、自社と他社に所属する職種の重複率・被り率です。これが高ければ高いほど相性が良く、受入可能性が高い企業と考えられます。
もし仮に、完全に同職種ではなくとも「職能が近しい職種」と捉えるとさらに可能性は広がります。
#10社程度について
災害時の対応はスピードが命です。
多くのステークホルダーと調整して進めていくプロセスはそれだけ時間がかかります。ですから、それほど多くない企業数でのネットワークが現実的かと思います。実際に当社が動いて進めているのも10社程度のネットワークになります。さらに複数の承認プロセスを待っていられる状況でもないため、理想は経営者同士、最低でも決済者同士でのやりとりが理想です。