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現場から生まれたキッチンカー支援

千葉県とPEADによる被災者支援活動に関する協定締結�式の様子

2026年2月28日

2026年1月21日開催の「PEADボランティア・ミートアップ」にて、代表・吉田がキッチンカー支援についてお話ししました。温かい食事を届けるために乗り越えてきた課題と、その取り組みをご紹介します。

(吉田)被災地への炊き出しにキッチンカーを活用する、千葉県との画期的な連携と、そこから広がった取り組みについてお話しします。

これは元々、館山市での支援活動(PEAD設立に至るまでのストーリーに記載の2019年房総半島台風)の実績があったことから、千葉県が関心を持ち、最終的に被災者支援に関する協定へとつながったものです。現場での積み重ねが、行政との連携を生んだ一つの事例です。


●キッチンカーが持つ価値と、現場の壁

災害時において、キッチンカーは単なる食事提供ではなく、「食のQOL」を大きく左右する存在です。温かい食事があるかどうかで、人の気持ちや回復力は大きく変わります。


2024年3月 珠洲市にてゴールデンブラウンさんの炊き出し

一見すると誰でも思いつく支援ですが、実際の現場には見えない壁があります。

例えば、東京のキッチンカーが館山に入って支援しようと思っても、東京の営業許可しか持っていないため、その状態で千葉県内でもし食中毒を発生させてしまった場合、その責任問題は非常に重く、結果として提供に踏み切れないというのがこれまでの現状でした。


2024年10月 千葉県いすみ市 九都県市合同防災訓練に参加
2024年10月 千葉県いすみ市 九都県市合同防災訓練に参加

●制度を動かしたロビイングと判断、そして全国への展開

これが一番の課題と分かってきたため、様々な関係者に対して継続的に働きかけを行っていたところ、千葉県の熊谷知事が「うち(千葉県)で何とかしよう」と言ってくれました。

法律を変えたわけではなく、「無償提供であれば営業にはあたらない」という解釈で整理を行い、公表してくれました。これは前例の少ない中でリスクテイクも伴う、非常にクリティカルな判断でした。

この千葉県の事例をきっかけに、厚生労働省が同様の趣旨を全国に向けて発信してくれました。他にも、自民党を含め様々な方面に私たちから働きかけを行ってきた結果だと、大変嬉しく思っています。


2024年2月 珠洲市にてチャンピオンカレーさんの炊き出し
2024年2月 珠洲市にてチャンピオンカレーさんの炊き出し

●資金の壁と支援の構造

一方で、キッチンカーには資金繰りという別の課題があります。

行政の助成金や赤十字の支援は、入金までに半年程度かかるケースもあり、即時の活動資金にはなりにくいのが実情です。

義援金も一見有効に見えますが、「公平性」が重視されるため県全体に分配され、本当に困っている現場にピンポイントで届きにくい構造があります。


2024年3月 珠洲市の小中学校にて炊き出し
2024年3月 珠洲市の小中学校にて炊き出し


●民間の機動力の意味

だからこそ、民間の支援には大きな意味があります。例えば「困っているキッチンカーにまず100万円、さらに必要なら追加で100万円」といった形で、状況に応じて機動的に資金を届けることができるためです。


公平性に縛られず、「今、本当に必要な場所」に届けられる柔軟性。

それが、民間支援が持つ大きな価値の一つです。


こうした制度・現場・資金の課題を踏まえながら、それぞれの役割を組み合わせていくことが、より実効性のある支援の仕組みにつながっていくのです。


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